ハンバーガーメニュー

年中行事・催し(ねんちゅうぎょうじ・もよおし)

赤倉霊場
山開き火生(性)三昧
法会

金剛寺では霊峰・岩木山のふもと、赤倉の地に修行道場があり、毎年6月の第3日曜日に山開き法会として柴燈大護摩供火生三昧を修しております。
同法会は当寺の特色がより濃く反映されたものとなっております。
火生三昧は、修験道は各地域で連綿と伝わる神仏や秘法を大切に守り伝えて、現代の世でも変わらず人々の心に燈火を灯してきました。
津軽も同様に約四百年、藩政時代には疫病退散や藩の一大事の折には行者が結集し荒行を通して一心に祈ったと伝わります。
以後、時の変遷を乗り越え、人々の祈る心に支えられながら現在に至ります。
その津軽の火生三昧についてここに自分なりに触れてきた空気感を記したいと思います。

柴燈大護摩供
(さいとうおおごまく)
火性三昧
(かしょうざんまい)

一般的に火生三昧といいますが津軽では火性と伝えられています。
特徴として、修験者が松明(たいまつ)や鉄鍬(てっか)、熱釜(かま)の行を行い、自身が不動明王となって修し祈願します。
現在津軽でこの行を行なっている寺院は少なく、当寺を含め約五ヶ寺程です。
行者も各寺院の僧侶が主体となり、醍醐派や高野山真言宗・智山派など、地元の真言寺院の繋がりで勤めます。
どこの護摩供・三昧にも言える事ですが、危険と隣り合わせの行であり、入念な準備と修法中の展開・結束力・集中力が大事で、
個々の役割が無駄なく自然と流れるように繋がっていきます。
入道場・本尊法楽に続いて浄めの儀式に入ります。
洒水加持や大きな幣束(梵天)で浄める大幣加持、大刀加持等、それぞれ同じく四方・中央、炉・鉄鍬・釜を浄めます。
柴燈大護摩供では清らかな炎に願文を奏上し、読経が始まれば御札のお加持、添え護摩木を焚上げ、
続いて参拝者の持ち物をその炎にくぐらせる持ち物加持を経て、参拝者の無病息災や世の中の平和を祈願します。
護摩導師と呼ばれる大祇師の修法が終わり次第、火性三昧に入ります。

  • 松明(たいまつ)の行

    松明(たいまつ)の行

    萱(かや)を束ねた松明に炎を灯します。両端に火のついた口松明をくわえ、両手にも火のついた松明を持ち、礼拝の如く少し進んでは腰を落とし自身の装束の袖の中に火を通し、「ふどみょう(不動明王)」と大きく唱え、天に高らかに炎を掲げます。四か所に灯された炎は四大尊であり、炎を纏い自身が不動明王となって、道場を清める浄化の作法と考えられます。

  • 鉄鍬(てっか)の行

    鉄鍬(てっか)の行

    二人の行者がそれぞれに、左右に配された灼熱の黒炭の盛を「ふどみょう」と大きく唱えながら少しずつ素手で払い、真っ赤に熱した鉄の鍬刃の持ち手を、塩を紙で包んだ「懐紙」を用いて左手で高々と持ち上げ道場を一巡します。火性の中でも最も危険な修法と言われ、熟練度が高い行者により息を合わせ執り行います。生と死が表裏一体となるこの行はまさに自身が不動明王となり火で火を克服し、大日如来へと即身成仏するという、擬死再生をあらわす作法と考えられます。

  • 湯花(ゆばな)・熱釜(かま)の行

    湯花(ゆばな)・熱釜(かま)の行

    大釜に湯をたぎらせ、行者がまず「ふどみょう」と大きく唱え、相手方と息を合わせ熱釜に対し熊笹の束で高々とその湯を散らし浴びながら釜を一周、次に相手方の釜も同様に湯を散らし浴びます。また自身の釜に戻り同じく湯を散らし浴びながら一周し、次に笹の束を釜の中に敷いて座し、「ふどみょう」と大きく唱え印を結び、三昧の境地に入り、終わると釜を高々と頭上に持ち上げながら本尊の前まで進みます。熱釜の行も鉄鍬の行同様、即身成仏して神仏一体となり、さらにそこから再生する擬死再生を表す作法と考えられます。

  • 火渡りの行

    火渡りの行

    最後に参拝者自身の行として火渡りの行を行います。道場内の左右いずれかに火渡り用の場所を設け、火は黒炭を用います。歩数にして五歩程ですが、火の温度が格段に高いため素足にわら草履を履いて渡ります。真っ赤に燃える炭の道をまず行者が整え、火渡り導師が修法。その後参拝者が手に御幣を持ち、自身が不動明王と観想して渡り、そのまま本尊前に進み礼拝します。そこで熱釜の行で使用した清浄の笹の葉を授かり、御幣と共に持ち帰って玄関や神棚などに供えます。参拝者が渡る時は行者が道の左右に立ち慈救ノ呪を唱えながら介添をします。松明、鉄鍬、熱釜の行を修験者の儀式とすれば、火渡りの行は参拝者の即身成仏、擬死再生の行と考えられます。

  • 倉道場へは山道を進みます。またナビゲーションでは表示されません。
    大石神社手前の介護施設「大石の里」(弘前市百沢東岩木山3138-2)を目印に進んで頂き、
    その先大石神社を越えた山道をお進み下さい。不安な場合は遠慮なくご連絡下さい。
    副住職携帯 090-4901-0750