皆さんいかがお過ごしでしょうか。
去る9月3日に岩木山に登ってきました。
全国の行者仲間で毎年各地域の霊山巡りをする会がありまして、少人数の会なのですが、自分も参加しております。今回は自分が幹事となり、北海道・東京・神奈川・三重・奈良・和歌山・徳島から、総勢14名での修行となりました。
各地で日々のお勤めの他、こうして各地の山々を巡る、いわば「ゴリゴリの山伏さん」達なのです。
午前9時、岩木山神社で御法楽の後、記念撮影。
神社横の参道入り口に看板が。
よく見ると・・
坊主コロバシ・・・何とも言えない響き・・
この地域では「行者」という言葉になじみが無かったのかも知れません。奈良の山などでは「行者返し」などがありますが、いわばそういった人でも油断出来ない危険な箇所だよ。という事を表しているのだと思います。
およそ4時間の登拝修行がスタートしました。
自分は幼い頃に赤倉側から山頂まで何度か登った事がありましたが、こちらのルートは初めてでした。
意気揚々とスタートしたのもつかの間、暑さを感じながら徐々にこう配がかかってきました。岩木山は一般的な山と違い単独峰で、しかもくねくねと登らずに割と真っすぐに道が続きます。
そして山上も下界も見えない森の中を黙々と進む中で、皆一様に疲労の色が濃くなってきました。
このままではまずいのでペースを落とし、小休止を繰り返しながら少しずつ歩みを進めました。
そして進む事3時間。やっと景色が開けた所まで来ました。幸い前週にお山参詣があり道が整備されていて、少し広めに刈られていたその場所でお昼休憩を取りました。
自然と体がほぐれホッと一息といった所でした。
しかし上を見ると・・
まだまだ!!
時間もオーバー気味です。でも無理なくゆっくり行こうと、気持ちに余裕を持たせながら、また山道を進みます。
道も岩場や急斜面になり、岩木山の本領発揮といった所です。こういう道になると「行者心」をくすぐりテンションがあがるというものです。
進む事1時間。1,340メートル付近の錫杖清水という所まで来ました。
また水がこんこんと流れだしている場所で付近には沢があり、こんな山上で水が豊富にあるという事に驚きでした。その写真は取り忘れました。
そこから見た山上と下界はこちら。
何とかここまで来たといった所です。
この辺りから雲がかかり、じっとしていると寒いくらいでした。
そこから種蒔苗代を越え・・
1時間かけてやっと!!皆無事に、雲に覆われた山頂へ到着しました。
天空の聖地とでも言うべき岩木山山頂。さっそく御法楽。
道中の無事に感謝のお勤めを捧げました。
そして記念撮影。
皆とても清々しいです。
修験道というか、山伏の良いところは、大自然という「恐れの世界」、また世の中という曼荼羅世界に自ら飛び込む。という事だと思います。「自分」という存在が自然に表れます。言葉に表すのはとても難しいですが、常に挑み続けなくてはならないという所に非常に魅力を感じます。究極「生き方」なのです。
優れている劣っているという事は別にして、その道を進む仲間と共に響きあうという事は、とても幸せな事です。裏がありません。
そろそろ降りようかといった頃、雲がサーっと切れ下界が現れました。
その神々しさに、今回のご褒美を頂いたような、そんな登拝修行でした。
ではまた。